時間不足は錯覚であり勘違い:その3
前回の、勘違いその2の続きです。
勘違いについては、ここで一旦終わりになります。
忙しい人ほど仕事ができる
よく聞きますね。
でもこれ
勘違いなんです!
労働時間が多い人ほど、実は働いていないのです。
あの、ピーター・ドラッガーが
『いかなる成果もあげられない人のほうがよく働いている』
と言ったように、忙しさと有能さは比例しません。
また、忙しい人ほど仕事ができないのは、3つの理由があります。
- 細かい作業が多くて集中力が続かない
- 長時間の労働で脳の働きが下がる
- 働きすぎで体調が悪くなる
1.細かい作業が多くて集中力が続かない
1日にジャンルの違う作業をいくつも行うと、それぞれのタスクを達成する確率は25%も下がるそうです。
また、1回気がそれた集中力を取り戻すまで15分もかかってしまいます。
つまり、色々な仕事を同時にこなすのは、仕事ができているわけではなく、無駄に時間がかかっているだけなのです!
2。長時間の労働で脳の働きが下がる
忙しい人ほど脳の機能が低下しています。
長く働くにつれて脳の機能が下がっていくからです。
とある研究で、男女7500人にどれだけ忙しいかのアンケートを取り、認知テストの結果を調べた
結果が下記です。
- 週の労働時間が30時間を超えたところから、認知機能にマイナスの影響が出始める
- 週の労働時間が60時間より多いと、普段は全く働いていない人と同じくらい認知機能が下がる
週に30時間までが集中できる時間だとするならば、自分にとって本当に大切な仕事は、週の前半、つまり労働時間30時間以内のところで処理したほうがいいのです。
3.働きすぎて体調が悪くなる
忙しい人ほど体を壊します。
過労死と言った言葉があるように『忙しくしている人ほど、病気にかかりやすく寿命が短い』という結果も出ています。
イギリスのロンドン大学が、8年半で約60万人のデータを集めた大規模な研究結果は衝撃的なものです。
- 週の労働時間が41~48時間だと脳卒中のリスクが10%高くなる
- 週の労働時間が55時間を超えると脳卒中のリスクが33%高まり、心筋梗塞リスクは13%高くなる
日本の厚生労働省の基準では、月に80時間を超える残業を過労死に認定していますが、実際はこのラインより手前で体は少しづつ壊れてきています。
勘違い3のまとめ
『忙しい人』とは、実は有能どころか、一つの作業に取り組めず、頭がよく働かず、体も壊しやすい傾向にあります。
本当に仕事ができる人ほど、忙しさや頑張りを見せません。
そもそも、最初からトラブルを起こす確率が低いので、ムダな作業が発生しないのも大きいのでしょう。
それでも『忙しいアピール』が無くならないのは、自己アピールとしてのメリットが大きいだけだからです。
勘違い1・2・3のまとめ
3回に分けて書いた、『時間不足は錯覚であり勘違い』
まとめると
- 忙しい人ほど有能なのはウソ
- やることが多い人ほど生産性が低い
- 実はみんな自分が思うよりも自由な時間を持っている
これが真実です。
本当はやりたいことをやるだけの時間を持っているはずなのに
あたかも、物理的な時間が足りないと思い込んでいるだけなのです。
実はこれは、時間の感覚が狂っているからだそうです。
例えば、つまらない流れ作業をしているときは、時間の進み方が遅かったり
好きな事をしているときは時間があっという間に過ぎてしまったり、休日が何もしていないうちに終わってしまったりと
楽しいことは時間が早く進み、嫌なことは時間が遅くなる。
よく『時間は誰にでも平等』と言いますが、時間間隔についてはウソなのです。
いったん『時間が足りない!』といった感覚に襲われると
焦りとパニックによって、生産性が大きく下がり、結果として何もかもがうまくいかない負のスパイラルにハマり、やがて本当に使える時間も減ってしまうのです。
では、この『時間不足の錯覚』を正すにはどうすればいいのか?
それは
『時間感覚』を正すトレーニングを積めば治るのです!
これまでの『時間術』のような、時間タスクで管理するのではなく
行動で管理することで、『時間をコントロールしている感覚』を身につけることができ、最終期には本当の物理的な自由時間も増えていきます。
そのトレーニングについても、今後のブログで少しづつ書いていきますが、恐らく不定期にアップする予定ですので
すぐにでも知りたい、今すぐ実践したいと思われた方は、ぜひ『超時間術』を読むことをオススメします!
本当に、現代人全員に読んでほしいと思えるほどの内容ですので、購入して読んで損はありません!
いや、読まないことのほうが損!
ぜひ、読んで実践した感想をお待ちしております!
引用:『超時間術』P39~55